1964年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞!
映画史に残るフレンチミュージカルの傑作です!
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1964年公開のカトリーヌ・ドヌーヴ主演のミュージカル映画『シェルブールの雨傘』…
本作は、フランス北西部の港町シェルブールで繰り広げられる美しい傘屋の娘と自動車修理工場で働く青年との切ないラブストーリー。
セリフのすべてが歌という…画期的なミュージカル映画です!
当時21歳の女優カトリーヌ・ドヌーヴの美貌、監督・脚本ジャック・ドゥミの色彩感覚、音楽ミシェル・ルグランの名曲が奇跡的な出会いを果たしたミュージカル映画の金字塔といえる名作。
2017年に日本で公開されたアメリカの映画『ラ・ラ・ランド』も『シェルブールの雨傘』に影響を受けたと言われています。
全編にわたり何度も歌われる名曲…
ミシェル・ルグランの名曲、英語曲のタイトルは『I will wait for you』…
この主題歌は誰もが一度は耳にしたことがあるはず!
あらすじ
以下あらすじ・感想にはネタバレが含まれる可能性があります
舞台は、フランス北西部の港町シェルブール…
自動車修理工場で働く20歳の若者ギィは、体の弱い伯母さんと二人暮らし。
17歳のジュヌヴィエーヴは、母エムリ夫人がいとなむ傘屋の娘。
ふたりは恋に落ち結婚を約束しますが、ジェヌヴィエーヴの母エムリ夫人は反対。
ある日、アルジェリア戦争の召集令状がギィに届き、
2年の兵役のため、ふたりは離れ離れに…。
キャスト
ジュヌヴィエーヴ・エムリ(カトリーヌ・ドヌーヴ)…母エムリ夫人が営むシェルブールの傘屋の娘。
ギィ・フーシェ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)…自動車修理工の青年。母親代わりの伯母と暮らしている。
ローラン・カサール(マルク・ミシェル)…宝石商。傘屋の資金繰りに困っている親子を心配し助けてくれる。
マドレーヌ(エレン・ファルナー)…ギィの幼なじみ。病気がちのギィの伯母を介護してくれている。
エムリ夫人(アンヌ・ヴェルノン)…娘ジュヌヴィエーヴを心配する傘屋の未亡人。
感想レビュー
(※ 以下、ネタバレ含みます)
見どころ①全編セリフが『歌』
今までたくさんの映画を観てきた私ですが、セリフ全部が『歌』というのは初めて。
それでも音楽と融合するフランス語の響きが心地よくて違和感は感じません。
カトーリヌ・ドヌーヴをはじめとする演者は歌手ではないため、すべて口パクで歌手による吹き替えというのが驚きです!
見どころ②美しい色彩の映像
壁紙やインテリア、ファッションまで美しく鮮やかな色彩がとてもオシャレ!
そんな鮮やかな色彩がジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)の美しさをより一層引き立てています。
オープニングの傘の映像など…ポップでカラフルな色彩が映画全体を感動的に魅せる要素のひとつになっています!
ジャック・ドゥミの初カラー作品であり、今なお色彩設計において世界中に影響を与える作品。
見どころ③ミシェル・ルグランの音楽
甘く切ない恋の始まりと終わりを感じさせる主題歌『シェルブールの雨傘(I will wait for you)』は永遠に色褪せない名曲です。
この主題歌を知らずして、この映画の魅力は語れません!
名曲は何年たっても本当に色褪せない…わたしの心に美しく響いてきます。
聞いたことがないというアナタのためにピアノでご紹介!
見どころ④はかなくも美しい恋と現実の物語
この物語は恋するふたりが離れ離れになる悲劇のようにみえますが、
最終的には現実的なハッピーエンドの物語です。
アルジェリア戦争に召集され2年の兵役となったギィ…
彼が帰ってくるかも分からない…
ひとりで子どもを育てることになるかもしれない…
そんな不安を抱えての2年はジュヌヴィエーヴにとって長く心細かったんだと考えれば、恋心も美しい思い出も薄れゆくのは仕方ないでしょう。
衝撃だったのは、鏡に映る妊婦姿の自分を見て“こんな姿を見せたくない”ようなことをつぶやいたこと!
ギィには「美しい恋の思い出のなかの美しい自分」だけを覚えていてほしいのか…
「ジュヌヴィエーヴ、ひどい」と思う人もいるかもしれません。
反対に、自分の子ではないお腹の子を「自分たちの子どもとして育てよう」と言ってくれて、
誠実で経済力もあって自分を愛してくれるカサールを好きにならない理由なんてありません。
愛があれば…なんて現実的ではないと思うのは私だけでしょうか。
エムリ夫人に賛成です。
年齢、立場、性別などで感想も違ってくるのかもしれません。
一方で、兵役から戻ったギィ…
待っていてくれると信じた恋人が他の男と結婚したと知れば、荒れるのも無理はありません。
その後はマドレーヌの存在によって立ち直り、結婚。
自分のガソリンスタンドを持つという夢も叶えます。
どちらも現実的なハッピーエンドです!
見どころ⑤抒情的なエピローグ
ギィとジュヌヴィエーヴが偶然に再会。
もう、かつての若く情熱的な恋をしたふたりではありません。
冷静で現実的な愛と幸せを手にしたギィとジュヌヴィエーヴ…
ギィの息子の名前は「フランソワ」、ジュヌヴィエーヴの娘の名前は「フランソワーズ」…
これもまた衝撃です!
子どもが生まれたら名付けようと、ふたりで決めていた名前です。
ジュヌヴィエーヴはお腹の中にいた頃からなので理解できるのですが、ギィが生まれた息子に名付けるなんて!
まるで「恋の形見」みたい…と感じるのは私だけでしょうか。複雑です。
そうして淡々と現状を報告しあうと、それぞれの幸せへと戻っていくシーンがとても印象的。
名曲『シェルブールの雨傘』が流れるなか、真っ白な雪がジュヌヴィエーヴの美しさをいっそう際立たせる、とても抒情的なシーンです…
ハッピーエンドながら胸がしめつけられるようなエンディングといえるでしょう。
映画のロケ地『シェルブール』を巡る旅
『シェルブールの雨傘』の舞台となった街
フランス北西部のシェルブールは、パリから約302キロ離れた港町。
ここに行くには電車で約4時間ほど。
パリ~シェルブール=オクトヴィル駅への運賃は、約2,000円~10,000円と列車によって幅があります。
列車の旅の料金はコチラ…
参照元:『virail』とは…旅行で利用可能なすべてのルートを比較するオンラインプラットフォームです。Virailの検索ツールを利用して、シェルブール=オクトヴィル~パリ間の最適な旅行方法を見つけることができます。
『シェルブールの雨傘』ゆかりの人物を巡る
映画『シェルブールの雨傘』ゆかりの地を旅してみませんか。
『フランス観光局』のX(旧Twitter)ポストをご紹介!
名匠ジャック・ドゥミの誕生日に寄せて…
ジュヌヴィエーヴ役、女優カトリーヌ・ドヌーヴの誕生日に寄せて…
シェルブールのお土産に…
『シェルブールの雨傘』の舞台となったノルマンディー
コタンタン半島の街シェルブール…
映画に出てきた傘屋さんの場所は、手芸用品店として今も健在だそうです。
街には大きな傘工場と併設のショップがあり、映画ゆかりの地として訪れる観光客に人気!
傘工場は見学もできるようです…
お土産に、お気に入りの傘を探すのもいいかもしれませんね。
ミュージカル『シェルブールの雨傘』上演!【2023年11月~12月】
京本大我さん(SixTONES)主演で再び話題となりました!!
※公演終了
動画配信サービスのご紹介はコチラ↓
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